2020/02/09 |
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DisGOONie『DECADANCE』を観てきたのでざっくり感想をまとめる回

初乗船でした~。


全然知らなかったんだけど、ディスグーニーに出演することとか観劇することを乗船っていうのね?知らなかったから、演者各位が「ご乗船お待ちしてます」的なツイートしてるの見て「大航海時代の話かな?」と思ってました(あらすじとか前もってあまり読まないタイプ)。全然違ったわ。

はじめに

そもそもで今作を観にいきたいって思ったのは塩野くんが主演だと聞いたからです。
未だにシアターGロッソで観た獣電戦隊キョウリュウジャー素顔の戦士たち公演で目の前、ほんの数十センチ先にいた彼の殺陣も肌の白さも若さも細さも脳裏に焼き付いていますが(変態か)、キョウリュウジャーの放送から早7年が過ぎ(数字みると死にたくなる)、ハイローザワなどでも活躍している塩野くんが主演と聞いて黙っちゃいられませんでした(発表されたのが血界戦線を観た直後くらいだったので、”ディスグーニー”にもそこそこ興味がわいてた)。

大変申し訳ないことに観劇するすべての舞台の演出家およびスタッフに気が回るタイプではないので(思い立ってライビュに行くとかいう場合とか、シンプルに演者で選んだ場合は特に)、昨年11月に観た舞台『血界戦線』が初西田演出だと思っていたら、3月に観た舞台『どろろ』が最初だったみたいで、デカダン観た後で『どろろ』も西田さんだよ、と言われると「あーーーーーね!!!」しか言えませんわ。あーーーーね!!!言われてみりゃそうね!!!思い返せばゴリゴリの西田色だったね!!!『どろろ』では主題歌の「女王蜂」が大音量であまりにも頻繁に流れるもんだから「ちょっと黙ってほしい……」って思ってたけど、メインの楽曲をよく流すやつね!!!オッケーオッケー!!!

とはいえ西田さんカンパニー「DisGOONie」は今回が初。「死ぬほど長い舞台」「尻が痛い」という噂はちらほら聞いていましたので心して行きましたけど、今作がたまたまそうなのか西田演出全体がそうなのかまだ完全には白黒つけられないものの、わたしは西田さんの演出とか持っている世界観みたいなものはわりかし好きだと思います。
『DECADANCE』はきっちり3時間半(18時半スタートで終演が22時て。休憩ありと言えどもマジかいや)の長丁場ですけど途中「まだ終わらんのか……」となることもなく楽しんで帰ってきました。だから相性はいいんだと思うんだよね。多分ね。

全然関係ないけど「DECADANCE」って「デカダン」なのね。どうしても「デカダンス」って言いたくなっちゃう。

公式さんがメインキャストのインタビュー動画アップしてくれるのいいですね。

ゲネプロレポート

おはなしのこと、登場人物のこと

まーーーしんどいよね。そりゃそうね(?)。だと思ってたよね。お互いがお互いを誰よりも何よりも大切にしているのにそれがすれ違うというのは本当にしんどい、幸せになったのは誰なのかなって考えてしまいますね。つらいわ。誰かのために17年間生きるってすごいことだよ……。
すべての人が平等に幸せになるのは難しい、ならば、自分が想う人にだけは幸せになってほしい、そういう人たちのお話には弱いですわわたしは……。

今回、友人のおかげで前から4列目だったので演者各位の表情もよく観えて、よりしんどかったですね(褒めてます)。あんなにずびずびの猪野くん初めて観ました。

全体の雰囲気としてはファンタジーだけど、何となくフランス革命やノートルダムの鐘の要素が入ってるかな?という印象は受けました。あとジャンヌダルクとか。レミゼ、魔女狩り、トプシー・ターヴィーらへんの要素を受信しました。

話が進むにアンナの目的が途中からちょっとズレてる?気がしたかなー。お兄ちゃんを探しに来たのにまず出会ったのはテイラーだし、「兄を探している感」は少なかったような。ド頭の教会のシーンのフラグもあったし(好きだった人が目の前から去ってしまって以降、神のことは信じていない、のやつ)、そこは敢えてなのかもしれないんですけど。
なんかもっとお兄ちゃんを探すことに必死なのかと思ってた。

どの作品に対してもですけどわたしは考察がへたくそで、自分のことはわりかし「観たものをストンとインストールする」タイプに近い(と思っている)のですが、これを書きつつも幸せになれたのは誰だろうなぁというのはふとしたところで考えてしまいます。

シワの足りない脳みそで考えた時系列としては、

  • 17年前:王妃が女児(アンナ)を出産。アンナは200年に一度生まれた魔女として牢屋に閉じ込められる(王妃はこの時点で娘が殺されたと思っている)。テイラー、ジェンバ、マリウス、パサドが城に忍び込んだ先にあった牢屋でアンナを見つけ、保護。
  • 12~3年前?:テイラーがアンナのもとを離れ、自国に戻る(このころからアンナは神を信じなくなり、泣かないと決意する)
  • 今(本編の時間軸):ジェンバがアンナの元から去り、自国に戻る。何も知らないアンナは手紙と地図を片手に兄を探しに出る。国境手前の教会で神父、そしてパサドに出会う(物語が始まる)

かな?という感じなんですが、そもそもわからないのはテイラー、ジェンバ(、アンナ)が国を離れた時期と理由(アンナを見つけてすぐに国を出た&マリウスが姉上の娘であると気づき逃がそうという話になった?)ですが、1回観ただけじゃさすがにわからんです。テイラーとジェンバはアンナを連れて逃げ、マリウスとパサドは国に残ったということでいいのかな。考察しまくってる人から見たら「何言ってんじゃコイツ」かもしれませんがご容赦を。
ふと国境を超えることの難しさを考えたりもしましたけど、あの話ではそんな大変ではないのか、もしくはその大変さは今作に不要だから割愛したのか……はわかりません。

テイラー、ジェンバ、マリウスの関係値は小さいころからずっと変わっていなかったんだなーというのは最後の牢獄にたどりついたシーンで何となく感じましたが、であるならば”バチバチ感”の芝居が本当にうまい子供たちだったんだなーと。
西田さんは「少年の気持ち」と仰ってますけど、少年にこんな重たすぎる秘密と計画を幼いころに抱え込む運命を背負わすのはやめろ!!!!!
幼い子供たちが抱え込むには輪をかけてしんどいものがありますよ。誰にも言わず(カヤルはどこかのタイミングからマリウスが打ち明けて知ってたかもだけど)、どこにも漏らさず、ただ一つの目的遂行のために、遂行できるその日のためだけに人生のすべてを費やす覚悟というのはそうそうできるものじゃないなと思いました。

ぶっちゃけわかんないことたくさんあるし、見落としてしまったことも多々あるんでしょうけど、1回の観劇ですべてをかみ砕けなくてもお話の展開はすんなり飲み込めたので、完全初見殺しというわけじゃないんだろうなぁとは思いました。初見殺しで全然わかんなかったら「面白かった」とか口から出なかったろうし。

イマイチつかめなかったのはテイラー、ジェンバ、マリウスとパサドの距離感かな。個人的にはパサドの立場が一番悲しいなぁと感じてました。個々人に思うことや意図はあったにせよ、嘘の集合場所を教えられるって、仲間に入れてもらえないって(しかも2回も)、悲しいことだよ。僕はハブられの経験があるから知ってるんだよ(重たい)。
パサドの「つかみどころがないから水の子」というのは好きな理屈だなと思いました。回想シーンでは結構弱虫というか臆病っぽい子だったので、彼も彼なりに10数年生きる中でたくさんのことを乗り越えて来たんだろうなと思います。
小南くんの芝居は何作か観たことありますが、一番良かったです。アイドルしてる彼よりずっと好きだな(アイドルしか観たことなかったのでね)。

登場人物的には、なんといってもおじさん3人(神父、国王、革命軍リーダー)がとてもよかった。王妃もとてもよかった。こういう言い方が正しいかはわからないんですが「主人公の周りを固める大人たち」のすばらしさを感じるときって舞台としての”安心感”がマシマシになるなぁと今作に限らず思います。
一幕ラストの神父と王妃がチェスをしながら、その周りで各コマになぞらえた登場人物たちが動いていく演出は最高でした。チェスのルール、もっとちゃんと覚えておけばよかったな…ふんわりとしかわかんない。
あと、おじさん2人とオルテンシアのサイズ感(特に神父とオルテンシアの並び)がドツボでしたというのはおじさん関連の話題として書き残して置かねばなりません。尾崎由香ちゃん超かわいかった。笑顔で「殺すよーっ(しかもマジで強い)」っていう子、嫌いじゃないですっていうか好きです。

しんどい of しんどい作品でしたけど、一番ぐっと来たというかメンタルにきたのはシエルがテイラーのことを祈るシーンでした。ぐっとくるっていうかキツかった。シーンとして。シンプルにつらかった。シエルが出てきてすぐはなんか「すぐ殺すぞ!とか言っててうっさい子やなー」と思っていたのですが(ごめんね)、あれはね……つらかったね……。
神父は相手がどんなに緊迫していても「ここにいますよー(いるだけでなにもしませんけどねー)(ニッコリ)」っていうテンションだったので、あの必死なシエルに対しての温度差もつらさを何倍にも増幅させていたと思います。やっぱおじさんがすごいんだなこの作品は……。

次点でダナエの処刑シーンかな。演出としては果てしなくえぐいんですけどこの後火あぶりに処す(どのみち死ぬ)相手に”熱した剣を当てつける”とかいう、もうなんか「やめてくれぇ……」って感じのところにダナエさん(片山さん)の熱演が乗っかるので、あれはもう絶句と言いますか、素晴らしいの一言でした。ただ見ることしかできない家族(リーダー(村山さん)やグリーン(修司くん))の芝居もとてもとてもよかった。

オープニングとか、テイラー・ジェンバ・マリウス・パサドが地図を片手に城に忍び込んだ回想シーンとか、結構「アニメっぽいな」と感じるシーンが多かったように思います。全然畑は違うんだけど、以前忍ミュで観た突然セットの隙間からその場にいない生徒が顔を出す演出に近いものを感じたな。アニメで言うと「あ、ここ貼っといてねー」の類とでも申しましょうか。

使用されている楽曲に「アヴェ・マリア」があったことも大きいんですけど、特にオープニングシーンは人間の芝居を観ているんですが脳内ではアニメーション映像が流れてました。イメージとしてはGONZOの「ロミオ×ジュリエット」のOPです(あれは「You Raise Me Up」だけど)。脳内でアニメーションが流れる体験はあまりないので(原作がない、オリジナル作品だと特に)、不思議な感覚でした。

1:29~くらいからのイメージ。

それはそれとして突然のギャグにはたまげてしまったんですけど(安部さんの真似とか王さんの仮装とかアボカドの全身タイツとかテイラースウィフトとか)(ぶっちゃけるとどうも収録回だったみたい?でカメラが回っていまして、そんな回で安部さんの話していいんかと謎の心配もあった)、とはいえ開幕早々「好きなドラえもんの道具ですか?(by 神父)」があったので後半のギャグ演出は普通に楽しめました。
むしろ「そういうギャグいれるのね!?」という驚きのほうが大きかったかな。「ドラえもんの道具」開幕早々ぶっこんでくれてよかった。あれがない状態で王さんの仮装を観たら泡吹いて倒れてたかもしれない(誇張表現)。

それから、2幕初手の仮装に紛れ込んだEパレもどきの曲は本当に「エレクトリカルパレード ドリームライツ”””ぽさ”””」があって作った人天才だなって感じです。
今作には全く関係ないですが豊永利行おじさんの「マジカル☆だでぃ?(仮)」に通じるものがあります。あれもあれで天才なので気になった人は聞いてみてね(脱線)

殺陣のこと

本作の殺陣、すさまじいですね。全体的にスピードが速い(頭痛が痛いみたいな言い方)し、回数も多い。中でもびっくりしているのは中村誠二郎さんなんですけど、1つの舞台で剣と槍の両方をこなすってあんた……。化け物ですかいや……。
ただでさえすさまじいのにわりかしよく揺れる(よく動かすからね)舞台セットの上で戦ったりもしてるもんだからもう「落ちないで……!!!」という念を送るのにこっちはこっちで大変でしたのよ。

これは”重箱の隅”なんですけど、殺陣がすさまじいこともさることながらそもそもで「回数が多い」ので2幕はみんなばっさばっさ斬られたり刺されたりしているので「いやさっきの戦いで命尽きるレベルの傷を負っているだろうそれは……」と思わなくなかったかなーというのはあります。
わたしが”リアリティ”を求めすぎな部分があるのはわかっているつもりですが(なのでこれは重箱の隅)、なんかもうちょっとうまくやってほしかった気はする。難しいとは思うけど。満身創痍を伝えるにしても斬られすぎ感あったなー。「あんなにバッサリ斬られたのに死んでない……!」ってのはファンタジーとして「ま、出血が少ないのかもね!」で済ませるべきなのかもしれないんですけども。

おわり

観劇から2週間くらい空いてしまったのですが、大体のことは書けたかな~。
これを書きながら、天野月子さんの「骨」を聞いています。今回のものに限らない話(他社作品含む)ですけど、既存曲使う時は曲名とかパンフに書いといてほしいよね……。書けないなら上演中にShazamするのを許してほしいし、許されないなら曲名を書いてほしい(以下無限ループ)。

昨今、サブスクが台頭してきて「さっき舞台で流れていた曲をすぐに聞ける」ハードルはだいぶ下がっているのだから、使っているのが既存曲であるならばなおさら「観劇直後に浸れる道具の一つ」として音楽についての情報を提供してくれてもいいんじゃないだろうか……。欲張りなんでしょうかこれは……。大千秋楽直後にメインテーマを配信してくれるヒプステという作品や、パンフに楽曲が載っている劇シャイという一座があったりする傍ら……とどうしても考えます。

やっぱり「骨」を聞いてると時間が経っていてもいくつかのことは思い出してくるもので、やっぱり既存曲を使ってる場合は(以下略)。

初のDisGOONieは楽しんで観劇できたので、また機会があれば観にいきたいなーと思います。
次に観て楽しかったら、やっぱり相性がいい(という書き方が正しいかはわかりませんが)のが確たるものになる気がするので。
とはいえDisGOONieじゃなくても『どろろ』も『血界戦線』も楽しかったから、多分いわゆる”西田演出”は嫌いじゃないんだろうなとも思いますけどねw

追加で何か思い出せる自信はあまりないけど、何かあれば追記します。
おしまい!

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