2018/10/20 |
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浪漫活劇『るろうに剣心』/2年半ぶりの観劇感想まとめ

2016年4~5月に宝塚歌劇団雪組にて上演された舞台『るろうに剣心』。運良くチケットを譲っていただき観劇することがかなった作品でしたが、この度、当時トップスターだった早霧せいなさんが退団後に再び緋村剣心を演じられるということでさっそくチケットを取りました。

はじめに

今回はお財布と相談した結果2等B席を取ったので(チケット買った時期がハイキュー!!”はじまりの巨人”とかぶってたの……)花道での芝居はモニター越しでしたけれども、まぁソレはソレとして。

言うても2年半前に1度観ただけの作品ですのでいろいろなことが記憶から消えていて、「こんな演出だったっけ」がたくさんあったのでまた新たな(?)気持ちで観ることができたかなぁと思ったのですが、現地で測量野帳に殴り書きしてきた内容と2年半前の宝塚版の感想記事の内容を見比べたら書いてることがだいたい一緒なので、演者が変わることでお芝居が180度変わってしまうことってそんなにないのだなぁというのが今の心境です(まぁそりゃそうか)。

公式のダイジェスト動画:

個人的には、宝塚版はちょっと物足りなかった、実写版は好きになれない、という人には是非一度見てみてほしい作品だなぁと思っています。
ただし、オリジナルキャラクターを含むストーリーで、原作で語られなかった期間を埋めるようなものでもないことは念頭に置いておくことが必要です。

なお、この記事では『るろうに剣心』関連の実写作品を便宜上以下の通り呼びます:

  • 実写版……佐藤健主演の実写映画
  • 宝塚版……2016年に宝塚歌劇団で上演された舞台
  • 活劇版……今回観てきた(現在上演中の)舞台

ゲネプロレポートたくさん上がってました。

おはなしのこと


(左と真ん中は引っ張り出してきた宝塚版の雑誌とパンフレット)

シナリオとしては観柳編を中心に進んでいますが、比留間兄弟の辻斬りエピソードや弥彦・左之助が仲間になるエピソードなんかをみっっっっちりと切り貼りして詰め込んでいたので、もしかしたら、原作を知らない人にとっては展開早すぎて分かりづらかったかもしれません。
弥彦はともかく、左之助と赤べこで偶然出会って即座に喧嘩して…みたいなのは「ヒョッ!?」ってならないかなぁと思いがち。
そう考えると、斎藤一までの主要メンバーを出す上でのあらすじの切り貼りは実写版第一作目が一番きれいかなぁなんて思います(※実写版第一作目は蒼紫様出てないけど)。

これは宝塚版のときから感じていたことですが、剣心が「惣三郎」って呼ぶとか、斎藤一が「左之助」って呼ぶとか、そこはなんかこう……原作に寄せてもいいんじゃないですかね……だめなんですかね……と思うところも多少あります。原作の剣心だったら絶対「加納」って呼ぶんじゃないかと思うし、斎藤一は左之助のことはトサカ頭(トリ頭)とか阿呆って呼ぶよね。そもそもで左之助と斎藤一はいつの間に自己紹介したんだよ友達かよって思ってしまうので、シナリオを変えることはあってもキャラクターの関係値は変えてほしくなかったですねぇ。
原作者の和月先生は「平行世界のパラレルワールド」「新たな平行世界の誕生」と仰ってますけれど、平行世界だからといって変えていい部分と変えてほしくない根っこの部分は確実に存在するのでは、と思ってます。

あと、左之助が二重の極みを習得しているとか、剣心が天翔龍閃を習得しているとか、原作知らない人にとっては別にいいんだろうけど「この次点でその技できないでしょうがwwwww」って突っ込みたくなってごめんな……とは思っています。原作厨だから気になっちゃうんだわそこは 。
兎にも角にも終始一貫して「京都編やりません!!!!!」アピール(?)がすごいです。うまいことシナリオ作り変えて続編を視野にいれてやればいいのにねーと思わなくもない。

まぁそんなこと言ったら蒼紫様が小太刀二刀流になるのは京都編からなので、そのへんもおかしいわ!って話なんですけどね。いやおかしいよねぇ……あと御庭番衆が小太刀抜くの手伝ってるのは、正直言っていくらお頭でもかっこ悪いからやめてほしい、本当は。
というか本当に本当に申し訳ない(本人の努力や能力では解決できないから無茶を承知で言う)んだけど蒼紫様はもう少し身長がある人を選んでほしかったです……。足りない……。身長がちょっと足りなくて御庭番衆の歌がポップだからもうなんか蒼紫様がただのアイドルだったよね。彼が動けるし芝居もできるし、実力があると思っているからこそちょっともったいない。ただ冒頭の桂小五郎は良かったです。

演出のこと

実は今年は舞台『1789 -バスティーユの恋人たち-』を観る機会に恵まれたので今回が人生3回目の小池修一郎先生演出の作品だったのですが、なんとなく「イケコ節(勝手に命名)」がわかってきたような気がします(気がするだけかも)。この調子でエリザベートなども観たいですねぇ。ま、るろ剣とエリザベートの合わせ買いチケットは残念ながら外れましたけどね……観たかったよぅ。

先述の通り、座席位置の関係で花道の演出は直視できない席だったんですけど、なぜか蒼紫様だけがステージ下手側の上空から紐たらして降りてくる演出が2回ほどあり(伝わる人には伝わるGロッソのアレ)それがめちゃめちゃ近いところだったので、花道は観えなかったけど満足です。ただ、蒼紫様のその登場の仕方は最初は「隠密っぽくていいぞ!」と思ったんですけどまったく同じ登場を2回やってたので、あれは1回だけでもよかったかもしれません。
しかし考えれば考えるほど宝塚版の蒼紫様の記憶が全然無いんだけどなんでだ……自分で自分に問いたい。なぜなにも覚えていないんだろう……。

加納惣三郎さんは………… あ!お歌がうまいです!

登場人物のこと

早霧せいなさん演じる剣心についてはもうそのまま、「ありがとうございます!!!」の一言です。やっぱさー、涼風剣心で育ってるからさぁー。
個人的には、今回の剣心が一番好きかもしれないです。宝塚版も原作に近かったけど、やはりあの宝塚の照明に勝てる濃いめのメイクなので、好みの問題だとは思いますがメイク含めて活劇版の剣心がいいなぁーなんて。
当たり前ですが涼風さん演じる剣心とはまた違いますけれど、声の感じ(発声方法とでも言えばいいのか)が似てるからニコニコしながら剣心を観れる。ありがたい話です。早霧さんの「おろ?」めっちゃ好きだ~~~~~~ってなりました。
アクションについては、松岡くん×早霧さんの殺陣がめっっっちゃよかったです!松岡くんの殺陣が早いのなんの!スピード感最高!

というわけで、以降、全員分とは行かないのですがぽろぽろと印象に残ったキャラクターについて触れていきます。

なお、これは決してけなしているわけでも文句を言っているわけでも無いのですが、実写版のキャラクタービジュアルというのは”二次元感”がちょっと薄めで、宝塚版だとやっぱりこう全部がキラキラした世界なので、原作のビジュアル再現困難なキャラクターって出てこないかハイパーに美化されてるかの2択だったんですよね。
それが今回、宝塚という場所を飛び出し、役者も老若男女いる座組だったからこそできたビジュアルが多かったなぁと思ってます。比留間弟とかもそう。そしてわたしは御庭番衆が好きなので、彼らが生きていることを感じられたのはとても嬉しかったです。

隠密御庭番衆のこと

というわけでまずはこれよ!隠密御庭番衆が今までで一番最高!!!般若がお面をしてて腕は白黒のしましま!!!
恵さんを探しに来た御庭番衆が、剣心が来たのに合わせて舞台から降りたりして隠れるところも「ザ・隠密!!!」って感じで最高でした。もうホント、ようやく御庭番衆に出会えた感じです。

流石に式尉の傷だらけの体+上半身ハダカとか火男の体型とかまではどう表現するかというのが難しかったんだろうなというのはわかるので(あと、原作で言うところの剣心vs般若戦とか左之助vs式尉戦みないなものもない)、般若のビジュアルが宝塚版より進化していただけでも大満足です(実写版に御庭番衆の4人は出てきません)。
宝塚版でも式尉の顔に傷が入ってたりというのはあったんですが、般若の袖が白黒のしましまじゃなかったしお面もつけてなかったんですよね。般若というキャラクターにおける重要ポイントをしっかりと取り入れてくれていたのは本当に嬉しかったです。

さっきもちらっと書いたんですが御庭番衆の歌シーンが謎のアイドル感があって笑いそうになりながら観てたんですが、その時のあ動きやアクションがなーーーんかニチアサっぽいなぁと既視感を感じていたんですね。そんな折、休憩中にパンフを見たら御庭番衆のシーンに殺陣をつけたのがJAEの六本木さんということが判明し、自分の”ニチアサっぽい”と感じる感覚が間違ってないことが判明していいんだかわるいんだか、って感じでした(※この話にオチはありません)。

ちなみに六本木さんは劇シャイでもアクションをつけてはる方です。ありがとう天下無敵の忍び道(脱線)。まぁソレを返せばだからこそ、御庭番衆の殺陣が少なかったのはちょっと残念だったかな、というのは正直あります。命を粗末にするつもりは毛頭ないのですけれど、御庭番衆の4人は観柳編で蒼紫様を守って死んでこそだと思っているので、回転式多銃身機関銃(ルビ:ガトリングガン)相手に全員生き残ってしまったのは原作厨としてはやっぱりちょっともやっとしますね。
京都編をやるとも思っていませんので、続きがないなら無駄なフラグはいらないと言われるとそうなんですけれど。

斎藤一(演:廣瀬友祐)のこと

聞いてください!!!!!斎藤一がブーツじゃないんです!!!!!!!!!!!実写版も宝塚版もブーツを履いていた斎藤一が、活劇版ではクツなんです!!!!!!すごいです!!!!!!!!
斎藤一が「阿呆が」って言ってくれなくて悲しいし「牙突」って言葉が出てこなかったのも寂しいです。でもいいの、クツだから。

それに加えて「悪即斬」が技名みたいになってるのはちょっと笑うし、そもそも「悪即斬」をテーマに曲ができるし、まぁしょうがないのかな……。宝塚版を観たときにはとりあえずまずびっくりしたものですが、やっぱり悪即斬の歌はちょっと笑ってしまいます(悪気はないです)。
原作7巻の剣心vs斎藤一や14巻の斎藤一vs宇吹などの名勝負シーンはなかったものの、技名が「牙突」だろうが「悪即斬」だろうが、シャンデリアを落とす技になってないのはよかったと思います(実写版で根に持っていることの一つ)。

あと、斎藤一は結構眺めの刀を振り回してらっしゃるんですがそこに違和感がない、というか、あの尺の刀身を自在に操ってらっしゃるのはすごいなぁと思います。
それゆえに、vs剣心戦かvs宇水戦かを是非みたいなぁ……なんてことも考えたりして。

「真剣を持つときは俺と勝負しろ」は1回言えばいいぞ★って思ったのは内緒ですが、結構この作品では重要っぽいセリフや演出を繰り返す傾向にあるのかも?

相楽左之助(演:植原卓也)のこと

左之助のCVがうえだゆうじさんにめっちゃ近くて驚きました。

観劇中、左之助登場のときのあの歌舞伎みたいな下りってあったっけ……と思ってたんですが、Le CINQ vol.172(2016年3月号)掲載の宝塚版台本を読み返したらセリフとしてそこに載ってたので、わたしの記憶から消えてただけでした。スマンスマン。
でもなんとなくあのシーンは間延びしてしまったように見えて、もう少しテンポよくできたらいいのにと思ったりもしています。というか左之助を仲間にするための展開は全体的に無茶なので(尺の関係かな……)もう少しうまくやれたたいいのになぁと思わなくも……ない……。

二重の極はいつ誰に教わったのかな~~~~~~~~~?????
(無理に入れなくてもいいのにね………………)

明神弥彦(演:大河原爽助)のこと

今回の弥彦はトリプルキャスト。わたしの観た日は大河原くんでした。
実は(?)宝塚版で一番絶賛しているのは剣心でも左之助でも薫でもなく弥彦だったのですが、今回の弥彦もまたよかったです!

何がいいかと言えばまず、原作ありきのキャラクターたちの中で、彼が一番等身大だったな、という点。身長差含め、剣心、薫、弥彦、左之助の4人が一緒にいる構図が一番しっくり来ましたし、サイレントのシーンとかで左之助とワイワイやってるところも「本物や~~!」って思えたんですよね。

実写版ではなかなか出番がうまく光らず、宝塚版では芝居の中での存在感は素晴らしかったけどパンフなどには弥彦のビジュアルがほぼ載らない、みたいな形だったので(しょうがないとはわかっているけれど……)、今回でようやく弥彦が弥彦としてその存在感を、爪痕を、きっちりと残していったなぁと思っています。
しいて言うなら、弥彦と燕ちゃんがくっつく未来が見えないのだけは気になったかなーというところですが、役者的にしゃーなしなんですかねぇ……。

頭をポンと叩きながら「大きくなれよ!」と言いたい弥彦でした。
みんな、いい役者になるんだぞ!がんばれ!

神谷薫(演:上白石萌歌)のこと

さて等身大と言えば、薫役の上白石萌歌ちゃんが18歳(!)らしいので、彼女の薫も等身大に近かったかなと思います(確か薫は17歳くらいの設定だった気が)。
彼女のお芝居を観るのは今回が初めてだったんですけれど、剣術小町感が出ててとても良かったです。これまでの本人の努力が目に見て取れる。18歳とはとても思えん……素晴らしかったと思います。

神谷活心流って弱くないのに技名が作中に全然出てこないから1曲作るの大変だったろうなぁって2年半前にも思いましたが、無理に技名を入れた曲じゃなくてもよかったんじゃないかなって改めて思いました。
るろ剣は、「決して弱くないけど剣心や左之助が強すぎて」出番の少ない強さがあるというか、実力があっても弱く見えてしまうキャラクターが多いのが難点ですねw(和月さんが原作のどこかで触れていましたがw)

武田観柳(演:上山竜治)のこと

御庭番衆も弥彦も褒めてきましたけど、なんだかんだでMVPは観柳かもしれない。
頭狂ってる感じ本当に最高だった。

黙ってりゃかっこいいのにね(褒めてます)。
ただし観柳に絡むところで言えば「命乞いなら貴様の好きなお金様に頼んでみろ」が無いのは、実写版・宝塚版・活劇版に共通する残念ポイントです。剣心のあのセリフ好きなんだけどなー。お金様に命乞いするようなシーンがしょうがないといえばそうなんだけど……(例:回転式多銃身機関銃で誰も死んでない)。

おわり

……というわけで、約2年半ぶりの『るろうに剣心』の感想でした。ここに書いたこと、読み返せば読み返すほど前回とさほど感じたこと変わってないな…と思いますすみません。
(まぁ演出家さんも脚本も一緒ですから、そりゃそうだよねぇ、ということで。)

『るろうに剣心』という作品は私の中ではバイブルなので、今後まだ実写化や舞台化の話題が続くようであれば都度観ていきたいと思ってます(実写版映画第4弾の噂は本当なんだろうか……)。
今作における「緋村剣心」や「緋村抜刀斎」については、早霧さんも松岡くんもとてもかっこいいしスピード感のあるアクションなので是非観に行ってほしい。あの2人の対決(?)シーンはとても見応えがあります。巴さんも美人だよ!

東京公演は11/7まで、大阪が11/15~24までです。お時間ある方は是非に~。

おしまい!

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Author: タチバナ( @tcbn___ )
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