2017/03/02 |
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こんなに裏切られた映画は初めてでした/『ラ・ラ・ランド』レビュー

※ネタバレあります。

1月も2月もそこそこに映画を観に行ったので「もうええわ!」というくらい予告を見ていた「ラ・ラ・ランド」をようやく観てきました。
ものすごい裏切られ方をしたというか、この映画からあの予告を作るのは一種の才能だとすら思いました。


というわけでネタバレありのレビュー(?)を。

裏切りの予告編

「裏切り」という単語を使うと、映画はひどい出来だったのかと思われるかもしれませんが、そういうことではないです。

ただ、さんざんあの予告を見たあとの本編で、予告映像の6割が最初の方で出きってしまうだとか、残り2割ずつくらいでラストの夢のシーンと作中にチラホラあるシーンが使われてるだなんて誰も思わないですよね。

あの予告を観た大体の人がラ・ラ・ランド!アカデミー賞13部門(史上最多タイ)ノミネート!夢は諦めなければ必ず叶う、超最高のミュージカルムービー!だと、騙されたんではないでしょうか。
「ミュージカル映画が苦手な人にも観てほしい!」と言う人の気持ちが少しわかった気がします。ミュージカル映画であってミュージカル映画にあらず。そんな感じの作品でした。

「夢のようなミュージカル」ってそういうこと!?確かに夢だったけども……!このコピー天才かな……みたいな。

わかんないですけど、これもしかして『セッション』を観た人とか、それ以外でも監督のことを知ってる人は「んなわけないやろ」ってなったのかなぁーなんてぼんやり考えたりもするんですけどね。
『セッション』はネトフリでも配信されている作品なので、時間をみつけて、ちゃんと観ようと思っています。どー思うかな。

脳内処理が追いつかない本編

話の展開が急すぎてところどころ「え??」となることが多くて、なんか難しいというか、初めてですこんな映画は。
各シーンは割りとぶつ切りなんですけど、結果としてはちゃんとつながってる、みたいな印象を受けました。

セバスチャンのお姉さんが電話番号をおいていった子が実はミアだったりする?(電話してないけど)とか、映画の約束とデートのディナーが被って、ディナーをブッチしたあと大丈夫だったかなとか(つーかいつの間に付き合うことになってんだ、とか)、プラネタリウムに忍び込むの厳しくない!?とか、言うてもあの脚本家の彼ってルームメイトの友達っぽいけど友情にヒビ入ったりしてない?とか、脳内処理が追いつかないウチに話が進むので、ちょっと大変でした。こんな映画初めてです……(2回目)

中盤のケンカのシーンで、セバスチャンがアレンジの加えられたジャズをやらざるを得ない状況になったのはミアの電話を聞いたから(ミアがそれを望んだと思ったから)だとか、「一番最初のクリスマスの日、セバスチャンのピアノの音に惹かれて自分(ミア)はあのレストランに入ったんだ」って告白するシーンとか、なんかそーゆーくだりあってもよかったのでは……?と凡人の頭ではどうしても考えてしまって。
言葉が足りなくてすれ違う人たちってこういうことなんだな……を客観的に見た感じしますね。

ミアは「セバスチャンに夢を諦めて欲しくない!」っていうけれど、彼がその道を選んだ理由、それはミアが「彼にはきっと貯金がある」だとかいう話を、本人にも聞こえるようなボリュームで母親に電話してたから。
言うてもあれは多分本心ではなくて母親を納得(安心)させるためのリップサービスだったとわたしは感じていますが、そんなの実際はどーなのかなんて言わなきゃわかんないしね。
夢や情熱だけでは現代世界を生きることはできないんだと、ガツンと殴られた感じしますね。はー、しんど。

あと、セバスチャンとミアが恋に落ちるまでが唐突に唐突が重なってて正直「は????」みたいなとこはあります。
セバスチャンがクビになった日の出会いをよくもまぁ覚えていたなと…。

オープニングは最高

と、ここまでなんだかんだ言ってますが、最初の5分、タイトルが出るまでの高速道路のシーンは最高でした!
「LA LA LAND」ってバンとタイトルが出た瞬間拍手しそうになりました。ミュージカルがこれから始まるよー!の感じ。

映画(舞台)の幕があがりましたよと。これから楽しいミュージカルムービーが始まりますよーと。
ただそれを見事裏切られることになるなんて、始まった瞬間には思いもしていなかったのでした。。。

上書き保存と名前をつけて保存

Twitterかどこかで見かけた恋愛がらみの言葉に「女は上書き保存、男は名前をつけて保存」というのがありましたが、恋愛要素に関しては、ララランドはそういう映画だったかな。

しかもセバスチャンの場合は名前をつけて保存どころか、おそらくは新規作成すらしてないだろうなーという感じはあるけれど(だって店のロゴはミアが考えたものだし、外壁にミアの出演舞台のポスター?貼ってるし…)

シュレディンガーの未来

ミアはミアの夢を叶えて5年後には大女優になり、家族思いっぽいダンナと可愛い娘、幸せな家庭、シッターを雇う経済的余裕も手に入れた。
一方のセバスチャンは、自分の店を持ち、現代の若者にウケるようなアレンジではない、本当に自分が好きなジャズを続けている。

2人がそれぞれに夢を叶えた5年後は、それぞれに幸せを感じているはず。
だけれども、その幸せとはまた別の幸せ、シュレディンガーの5年後の冬もあったかもしれない(それがSEB’Sで演奏を聞きながらミアが観た夢の世界かもしれない)。

もし、最後のミアの夢が全て現実と逆だとしたら、多分ミアはあのオーディションには落ちている。けれど、やっぱり諦めきれず、そこから別の縁で女優としての道を見つけて、彼女自身が選んだのでしょうね。

なんでミアだけ家族も持って夢も叶えて(女優になって)、ひどい女だなーと感じている方もいらっしゃるのかもしれませんが、そもそも家族がいないと不幸なのかって話にもなりますし(重たい……)、「明日からのわたしたちはどうなるの?」に「わからない」と返答したのはセバスチャンですし、別れて家庭を持ったのは裏切りでもなんでもないと個人的には思っています。

一瞬「えっ!!!」って思ったけどね。
まぁそういう未来もあるよね。

ラ・ラ・ランドが、予告どおりの幸せ全開みんなハッピー!なミュージカル映画だとしたら、きっとミアはパリで撮影されるあのオーディションに受かり、女優として出世し、セバスチャンは自分の店を持ち、2人は別れることなく一緒に幸せになったんでしょうけど、そーゆー映画ではないんですよね。

結局のところ、何を選び、どう幸せになっていくかは本人次第で、幸せになったあとに「あの時こうしていたら」を考えるのは自由だけれど、もうそれは手に入らないもの。

自分の夢を叶えること=誰かと一緒に夢を叶えていくことではない。
そんなのあたりまえなんですけどね。それぞれ、自分の人生ですから。

自分の人生に置き換えてみるといろいろと死にたくなるので考えることはソッコーでやめました。
いやはや、選ばなかった未来の話は本当にしんどいですね……。

おわり

いろいろとまとまらなくなってきたのでここで終わりにしまーす。

あれこれ書きましたけど、様々なオマージュがたくさんアルみたいなので、それらを踏まえた上でもう1回くらいみたいなーとは思っています。ドルビーアトモスで観てきたけど結局のところ音質とかそういうのよくわからなかったので、次はふつーの字幕版でいいかな。

あとは、先にサントラの衝動買いとかはしなくてよかったなーと。
もう1回見て、ストンときたら買おうかなくらいのイメージ。

アカデミー賞6冠、まぁしばらくはどこの劇場でも上映されるでしょう。
最初にちょっと書いたとおり、ミュージカル映画が苦手な人でも大丈夫だと思います(まさか自分がこのワード書くと思ってなかったけど)。

10代、20代前半の子らが観るとまた変わるのかな。わたしはちょっとしんどかったw
夢を抱くのもそれに向かって突き進むのも大切なことだし、だこかのタイミングで諦めることもまた必要になるかもしれないし、ならないかもしれない。

日曜日はハイキューに音と映像で殴られ、水曜日はラ・ラ・ランドで精神的に殴られ、なんかもうよくわかんなくなってるので、ラ・ラ・ランド観てしんどかった人飲みとかしたいですね(適当)

▼CD

▼iTunes

La La Land (Original Motion Picture Soundtrack)
カテゴリ: サウンドトラック

おしまい!

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Author: タチバナ( @tcbn___ )
主にiPhone6sとiPad mini4で楽しくブログを書いています。カフェラテ、Instagram、映画、ハリネズミが好きです。

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